私は司会をさせてもらう事が多い
しかもお金をいただいてMCをさせてもらっている。
言わばプロのしゃべり手となる。
時に地元のケーブルテレビで町の素人さんをゲストに迎えて話しを聞きながら、その方の魅力を引き出しつつ、視聴者の方が興味関心を抱くように時にユーモアも交えながらしっかりと本質を見出せるように毎月しゃべっております。
「ちたはんトーク」
時に両国国技館に集まる1万人以上のダンスファンの前でのダンスバトルでマイクの行事として仕切ってます。
「DANCE ALIVE」
ダンスイベントやコンテストでMCをしたり
「TOP FLOOR」
時にダンススタジオでダンスの指導を複数人の生徒さんを対象にしゃべってます。
たまに公演などもやらせてもらう事もあります。
その昔は教壇に立って高校生を対象に「政治経済」と「現代社会」の授業をしてました。
しかし私は…得意?
好き?
ハテハテ…
最初に人前で話す事を意識したのは中学生の時の生徒会長立候補の演説が最初だ。
単にウケ狙いのふざけた演説でしたが当時の元気ある仲間たちの熱い盛り上げて(サクラとも言う?)効果もあって見事当選させてもらったのが記憶にある。
その後、立場的にもしゃべるって機会が多くなった気がする。
他には卓球部の部長になった事などもあり多数の人の前で自分の意見の話す事は多々あった。
でも実は…
人前で話す事はけっして得意ではなかった。
目立ちたい!
という感情は昔から持っていたが人見知りで上手くコミュニケーションが取れない変な子だった。
だから話しをせざる終えない状況になってしまった事は今思えば幸運だったかも。
愛知県の東三河、豊橋という街で師匠と出会ってからは豊橋や名古屋のクラブでの深夜の課外クラブ活動で音楽やヒップホップ、ダンスにのめり込んでいった。
言葉を絶対の必要としない表現方法は人見知りの目立ちたがり屋にはもってこいのツールだったのかも。
そんな自分が、
お金を払って来てくださるお客様に対して、しかももちろん知らない人に対して何かを話すなんてとんでもない「苦行」をさせてもらったのは決して望んでというわけではない。
当時名古屋ではダンスをメインとしたイベントはコンテストが一つ、あとはたまにポチポチあるかないか…そんな時にDJ、ラッパーメインのイベントにダンスのショーをさせてもらう的な要素が多かった。
そんな中、ダンスをメインとしたショーの出来るイベントを!と我が師KATSUさんが立ち上げたイベントが「From Behind」(後に若手の登竜門イベントとしての「Check it out」や名古屋の伝説のダンスイベント「Toss it up」の原型)でした。
その3回目で小箱のクラブ「クーレスト」での開催の時。
(↑現物。当時はスクリーントーンを使いコンビニのコピー機で重ねて印刷しながら文字を増やしたりして手作りで私が制作してました)
クラブでのダンスショーというものが一般化してないのでお客も踊る側も何をどうしたらいいのか?あたふたな感じ。
そこで少しラップまがいなものを人見知りのくせに悪ノリでマイクでぎゃーぎゃーいったりしてた私に「You-Gee!ダンスフロアを広げてダンサーが踊れるスペースを盛り上げながら上手く誘導してくれ!」とズブな素人に意外とハードル高めな要求を師から言われ
「あっ…はい」と言いますわな師弟関係というものは。笑
それがダンスイベントをクラブでお客の前で進行した始めたの経験。
96年頃の事である。
もちろん素人なのでどっちらけたとも思いますがそこが素人の怖い所!
「なんでもやりますから言って下さい!」的な要領良く世間を渡ろうとするアホな男の軽い発言でその後もKATSUさんが主催するイベントはほぼ全て司会をさせてもらう事になる。
今では考えなれないかもだが先輩ましてや師匠から頼まれて断るという選択肢はない!
だから必死になった。
当時は司会者としての「MC」なんてのはポジションとして存在していない。MCとつくのはラッパーでライブをする者を指す。
もちろん私もダンサー(気分)全盛期?
マイクでの進行ももちろんだが踊る事がメイン!
でも司会者の発言で全ての空気が変わる事も肌で感じていた。
そんなこんなで大学生のりで1.2年は色んな現場で司会をさせてもらった。
そんなある日KATSUさんから「次のフライヤー(チラシの事)からMC You-Geeって載せよう!」と提案された。
確かに経験は積んだものの時代が時代なので「MC」なんて書いたらライブするって思われないかな?って心配したのを覚えている。
つまり司会者としてのポスト、役割をKATSUさんが作ってくれた事になる。
本当に感謝している。
それまでももちろん自分の出来る事を最大限考えてやっていたがさらに責任が増した。
それからまた色々とイベントなどでMCをさせてもらい少しして
なんとKATSUさんがイベント終わりの打ち上げの場で油性マジックで「MC You-Gee ギャラ」と書かれた茶封筒を渡された。
「え!?もらえませんよ!」と即答した。
先輩の師匠のイベントを支えるなんてのは当たり前の事で「お金が欲しい」なんて微塵も思ってなかったので全力で拒否った。
しかしKATSUさんは引かなかった。
「You-Geeはちゃんとプロとしての仕事をしている。もらってくれ!」と
それまではお金を払って会場に来てくれる人に対してアクトしている時点で「素人の遊びではいけない!」とは思っていたが本当にお金を手にするプロとなってしまった。
これまた望んだわけではないが…
私の中にあるそんな片鱗を見つけだし、表に出してくれた師匠には本当に感謝だ。そして決して自分が得意とは思っていなくても周りの人間や信じてくれる人が「大丈夫!」と認めてくれる事もある。
人生で一番最初に司会者としてのYou-Geeを見抜き(?)金銭的にも評価してくれた方は私が一文も欲しいとは思わない我が師であった。
もちろん私はKATSUさんにギャラの話しを一回もした事がない。
しかしKATSUさんはイベントでたぶん大赤字を出した時にもちゃんと支払ってくれた。まぁたまに忘れた頃に「あの時のギャラね」と渡される事もあったが、もともとチャンスを作ってくれた師匠からお金をもらうなんて発想になかったので何の問題もなかった。
評価は他人がする事
です。
私は今も得意とも才能があるとも思ってはいません。
伝えたい想いは沢山。
そして毎回必死!
ダンスが好きな事と
沢山の経験をさせてもらった事と「嫌いじゃない」くらいです。
だから努力しないと!っていつも思っています。
決して恵まれた素材を持ち合わせているわけでもないので一つ一つが勝負です。
呼んで頂いている以上は主催者の方のやりたい事をなり変わってマイクで表現しながら進行していくわけですから責任重大です!
その昔、名古屋の伝説のダンスイベント「TOSS IT UP」の様子を主催のKATSUさんに頼んで二階席から三脚を持ち込みビデオで撮影させてもらった事がある。
この事をよくその後にKATSUさんが何度か語ってくれてた事を思い出す。
「You-Geeは自分の司会を勉強する為にビデオ回して研究してんだぞ!」と。
自分のダンスも自分の司会の言い回しや「間の取り方」など客観的には見れないので「司会」ってどうやったらいいか?自分を研究してみた。
誰かに教わったわけではないが自分で自分を見てより良くする為に努力するしかなかった。
やれる事はとことんやらないと。
人から必要とされる事は自分の好きな事や得意な事じゃないかもだから。
チャンスを与えて頂き、沢山の経験をさせてもらい「今」がある。
そして「他人」に必要としてもらえてる事に感謝してやれる事の全てを出すのみです。
私の場合基本的に全てが独学です。
そしてダンス同様、MCも「キャラクター」ってのが必要となります。
タレントさんやお笑い芸人さんも同じだと思うのですがより「個性」を出しつつ、ちゃんとお客様やシステムなどにマッチした仕様にした上での「オリジナリティ」これが大切。
誰かに伝えるって事がとても難しいですがなんか自分なりの嗅覚で体得した「節回し」みたいなものがあります。
気がついたらって感じです。
上手いとか、凄いとか私の価値観的には表に出る必要の無い事。
「最も表に出てくる裏方としのMC」それは照明さんや音響さん、視覚演出の方と似ているかもしれません。
最終的にお客様や出演者、そして主催者が帰宅する時に「幸せだったな」って感じる一つの要素の裏側に司会者の存在があればって思います。
そんな独自の価値観も経験上作られてきました。
やはり得意!とか、好き!とかでなくても続けてやるとなんか産まれる。何かが出来てくると思います。
色んなシチュエーションで何かのチャンスを得れたら継続してみてはどうでしょうか?
なんだかんだで15年以上「しゃべりスト」として活動してきた私からの提案でした。
(日本のストリートダンス第一人者HORIEさんとのTwo MIC)